病院が苦手な猫さんのために出来ること②

みなさんはクレートトレーニングという言葉をご存知でしょうか?
クレートとは、プラスチックや金属で出来たペットを運搬するためのケースのことです。
そしてこのクレートの中に入るように教えることを、クレートトレーニングといいます。
動物病院へ行くときや引っ越しや災害時などに、クレートに入ることが必要になります。
またシッティング時に、お留守番猫さんが体調を崩したり怪我をしたりなど万が一のことが起こったとき、トレーニングされていないクレート嫌いな猫さんを、クレートの中に入れるのは至難の業です。
難なく大人しく入ってくれる子もいますが、複数頭の猫たちが暮らす我が家にも、クレートが嫌いな子がいます。
クレートが好きな子は、中で昼寝をしたり、とても落ち着ける場所のようで寛いでいます。
トレーニング方法については、色々な方が紹介してくださっているので、それぞれの猫さんに合う方法でトレーニングされたらよいかと思いますので、ここでは簡単に説明しますが、
- クレートを病院に行くときのみ出してくると、猫さんは「あのこわい場所に連れて行かれる!」と、クレートに対して悪いイメージをもってしまうため、猫さんが普段過ごしている部屋に、自由に出入り出来るように扉を開けて置くことがまず大事。
- おやつなどを使ってクレートの中に誘導する。これを繰り返す。
- クレートに入ることに慣れてきたら少しずつ扉を閉める。「よし!入った!」と罠にかかったぞ的な感じで扉を急に閉めると、猫さんは「あっ!騙された!」と感じてしまうので、撫でたり声をかけながら徐々に閉めること。
- 様子を見ながらクレートにいる時間を長くしていく。慣れてきたら、外に出て(車まで移動して)部屋に戻るを繰り返す。
このような手順で、猫さんだけでなく、オーナーさま自身もいざと言う時慌てないように慣らしておくと良いと思います。
ちなみに、長時間クレートに入れっぱなしにすることはストレスになるので、ご注意ください。
今の名張の家には、10匹の猫たちと引っ越してきたのですが、何日も前から引っ越しする予定時刻と同じ時刻に合わせて、全てのクレートにおやつをセットして入ってもらうということを繰り返しました。
その前の引っ越しの時に、15匹の猫たちを全てクレートに入れるのに、2人がかりで一時間程かかった苦い経験があるので、かなりのプレッシャーでした。
しかも前回二人がかりで一時間かかったのに、今回の引っ越しは一人でした。
前回の引っ越しから学んだことは、
- 「捕まえるぞ~」という殺気が猫たちに伝わり警戒させてしまったので、まずは自分自身がいつも通りを心がけて落ち着くこと
- 長引くと最初にクレートに入った猫が、「出して~」「罠だ~」と騒ぎ出し、それを聞いた他の猫が「逃げろ~!」となるので、最初の30秒が勝負!
結果的には10匹の猫たち全てが一分程でクレートに入ってくれました!
成功の要因は、引っ越し前日に私が肋骨を骨折したことです。
息をするのもつらい状況で、もう後は野となれ山となれ、クレートに入らなければ引っ越せないだけだと開き直り、緊張や不安もなくなり、痛いけど心静かだったのが良かった気がします。痛いけど。
あとは、我が家の猫たちが痛がっている私をみて一致団結してくれたのだと思っています。
スムーズにクレートに入ってくれると、猫さんの負担が減るだけでなく、私たちオーナーの心の負担もずいぶん軽くなりますよね。
クレートが苦手な猫さんは是非、今日からでもクレートトレーニングを始めてみてくださいね。