猫と耳ダニとニーム

今日は暖かく、またたびの森の我が家の猫たちも朝からバタバタと走り回っております。
前回のブログで、またたびの森の我が家で取り入れているセルフケアについてお話しましたが、今回は薬物過敏症の猫の耳ダニをセルフケアで治癒させた例について紹介したいと思います。
たくさんの猫たちと暮らしていると、なかには薬剤に強く反応してしまうセンシティブな猫さんがいます。
耳ダニ(耳疥癬)は、ミミヒゼンダニが主に外耳に寄生する感染症で強い痒みを引き起こします。
猫だけでなく、犬やウサギやフェレットにも感染します。
頻繁に耳を掻く・頭を振る・黒っぽい耳垢が大量にみられるなどの症状がある場合は、感染を疑ったほうがよいでしょう。
掻いているうちに耳を傷付け、外耳炎や耳血腫を招くことがあるので注意が必要です。
薬物過敏症の症状で最も多いのは、皮膚症状です。いわゆる薬疹ですね。こちらは我が家の猫の皮膚に生じた薬疹

出血までして痛々しいです。
このような場合、セルフケアを検討します。
色々試したなかで我が家の猫に効いたのは、インド原産のニームです。インドでは街路樹として普通に見られる身近な常緑樹です。
ニームは家庭の常備薬として古くから重宝されてきたハーブで、インドでは「村の薬局」と呼ばれていて、血液の浄化作用に優れており、皮膚病、寄生虫、胃の不調、咳、腫瘍、糖尿病、また歯磨きの代わりにニームの小枝を噛んだりするそうです。
また防虫・忌避効果があるので、農業で農薬の代わりとして使われているそうです。
葉をペースト状にして皮膚に塗布したり、お茶として飲んだり、まさに万能薬ですね。日本でいえば枇杷みたいな存在でしょうか。
野生のニームから作られたシードオイルとリーフエキスを海外から取り寄せました。
オイルはオーガニックのゴマ油と混ぜて耳に塗布し、リーフエキスも涌き水で薄め被毛にスプレーしたり、掃除のときにスプレーして床を拭いたりしました。
こちらは症状が重かった子です。
ニーム塗布前

ニーム塗布を初めて5日後

完治まで頻度を減らしながら塗布とスプレーを続けました。
このように家庭で取り入れられるセルフケアは多くあります。
私が積極的に自然療法をセルフケアに取り入れている理由として、医薬品のように製造過程で動物実験を行っていないということもあります。
日本で動物実験により犠牲になる動物は、年間1000万頭以上にも及ぶそうです。
とはいえ、無理なセルフケアは危険ですし、自分一人で抱え込まず獣医師との連携も忘れないようにしましょう。
どのような治療法でも治らない病気もありますし寿命もありますが、愛情に満ちた言葉や、やさしく触れることはなによりの薬になります。
無理なくセルフケアを取り入れていけたらいいですね。